ルール上、あるフラグに対して相手より役の強さが上回っている場合、そのフラグに対して『勝利宣言』を行なうことが“可能”です。ここで注意したいのが、宣言行為そのものはあくまで“任意”であり、あえて“宣言しない”ことがその後の展開に有利に働くことがあります。
●1:負けの確定した下側プレイヤーは、D01を捨てて役をブタに。
A07
A06
A05
1列
B07
C07
D01
先攻プレイヤーは、A07を出しフラグ-1-の勝利が決定しました。後攻プレイヤーは、フラグ-1-に対して負けを認め、手札の中から不要なD01を処理することにしました。
上記のケースのような不要カード処理は、ゲーム中頻繁に見られます。相手に勝利宣言されてしまうと、そのフラグに対しては以降カードを配置することが出来ない為、全体としてカードを配置することの出来るスロットの数が相手より少なくなってしまいます。空きスロット数の減少は、その後の展開の幅を狭めるだけでなく、相手よりも先に情報公開をしていく結果となり、かなり不利になります。よって、負けが確定したフラグに対して、手札の不要カードを捨てる戦法は、次善の策として有効です。
勝利が確定した場合、フラグ駒を自陣側に持ってくることで、そのフラグの『勝利宣言』を行ないます。『勝利宣言』を行なったフラグには、以降 軍隊カードを配置することも、戦術カードを使用することも出来ません。戦術カードの中には【殺】や【霧】など、相手フォーメーションに影響を与えるカードがあります。『勝利宣言』をすることで、それらのカードの干渉を遮断することができます。
そもそも、『宣言保留』には、どんなメリットがあるのでしょうか?なんのために、相手に戦術カードで干渉される危険を冒してまで行なうのでしょう?
それは、「一度配置されたカードを、他所で“再使用”したいから」です。つまり、戦術カードの【移動】と【奪】の使用を前提とした『宣言保留』なのです。
繰り返しになりますが、一度『勝利宣言』をしてしまえば、そのフラグにはいかなる戦術カードの影響も及びません。しかし『宣言保留』をしているフラグに対しては、戦術カードが使用できるのです。
●2:上側プレイヤーは、【移動】でA05を3列目に移動
A07
A06
A05⇒
1列
B07
C07
D01
●3:3列でストレートフラッシュ(SF)が完成
A03
A04
A05
3列
B06
C06
D06
●4:1列目を未完成にしても、フラッシュやストレートで勝てる。
A07
A06
(*)
1列
B07
C07
D01
後攻プレイヤーが『ブタ』を作ったフラグ-1-で、先攻プレイヤーは【移動】を使って、A05の軍隊カードを-1-から-3-へ動かしました。その結果、-3-ではSFが完成して勝利しました。-1-のフラグの役は、未完成になります。その後、例えばA09を配置すればフラッシュが完成します。
また、同様に相手陣のB07やC07を【奪】で持ってくることが可能になります。
また、真に威力を発揮するのが【リーダー】カードを【移動】で再使用した場合です。ただでさえ強力な【リーダー】カードを2箇所で使うわけですから、その威力は説明しなくても十分想像できると思います。もちろん、戦術カードを複数回使うのが前提なので、相手も何かしらの戦術カードを使用していることになります。
それでは、『宣言保留』を行なった方が良い時というのは、どういう場合なのでしょうか?
もちろん、【移動】や【奪】のカードが手札にあるのが理想ですが、「あとから入手できる」のを期待して保留しておいても良いでしょう。その際、「相手が戦術カードを引いて居ない場合」で、かつ「勝利宣言をしても空きスロットが発生しない場合」は、100%『宣言保留』を行なってください。
もし、相手が戦術カードを持っている場合でも、不要カードを廃棄してブタにしているようなケースではチャンスです。
上記のケースを振り返ってみます。後攻プレイヤーは、一旦は負けを認め、フラグ-1-に対して不要カードを廃棄しました。これによって、後攻側の役はいわゆるブタになっています。その為、例え先攻プレイヤーに対して、【殺】が使用されA06が破棄されたとしても、先攻側にはフラッシュにもストレートにも変化させることが容易なハズです。
このように、相手が不要カードを廃棄してブタを作ってきたような時には、『宣言保留』が有効になるケースが多くなります。
もちろん、上記のケースで後攻プレイヤーがD01でブタにせず、D07をだしてスリーカードを完成させていた場合には、【殺】を使われることによって、勝敗が逆転することも考えられます。そう言った場合には、『勝利宣言』を行なって勝ちを確定させる方が良いかも知れません。場合によって、使い分けた方が良いでしょう。
負けた側も出来るだけブタにせず、ストレートやフラッシュにしておけば、相手は『宣言保留』がしにくくなります。