2021/11/3(祝)に開催された【第10回バトルライン大会】の決勝戦の棋譜です。
盤面 上(後手)GInさん 下(先手)どらねこさん
特に、⑨列で繰り広げられた『最初の5手』の攻防は必見ですので、解説します。
先手の どらねこさん の初手には、R56とP67の4~7(ミドル)のスーテッドコネクター(SC:同色連番)が2つあります。
ミドルのSCが開始手札にある場合、初手(と次手)に端列(①⑨)に布陣して、相手の様子を見るのをオススメします。
続けて相手が、1~3(ロー)で しゃがんでくれば端列を獲りますし、8~10(ハイ)で獲りにくれば、価値の低い端列に主力クラスのハイカードを消費させることが出来ます。
(着手1)先手の下陣は、R6を⑨にプレイしました。
(着手2)後手の上陣は、同色で数の大きいR7を被せて⑨列を獲りに来ました。
バトルラインではよく、
『相手より、少し大きな数字を被せるのが好手』
と言われていますが、この説について自分は少し疑問を持っていて
『同色の場合には、この限りではない』
との意見です。
今回の序盤の攻防は、ちょうど 自論のサンプルになりました。
(着手3)下陣は、R5を布陣します。部隊の数字を負けている以上、ファランクス「Pha:スリーカード」を作りに行っても敗けてしまいます。最強役のウェッジ「Wed:ストフラ」を目指します。
(着手4)下陣がWedに舵を切ったのを見て、上陣もWedを狙ってR9をプレイします。
この状況は、一見『Wed狙い対決』のように見えます。
それぞれ、下陣はR4、上陣はR8でWedが完成し、両陣のWedが完成した場合には、部隊の数字が大きい上陣が勝利します。
言い換えれば、下陣は
『最強役のWedを完成させたとしても、上陣にR8を引かれたら敗け』
の状況です。
(着手5)下陣はWed狙いを諦め、R10を⑨列にプレイしました。これで、完成した役の強さは最強のWedからバタリオン「Bat:フラッシュ」R6510:21に落ちましたが、上陣がR4でBatを完成させたとしてR794:20で下陣に勝つことが出来ません。上陣が勝利するためには、R8でWedを完成させないとダメなことに変わりはありません。
どうせ上陣にR8を引かれたら敗けてしまうのですから、下陣は無理に最強役Wedを組む必要が無く
『上陣がR8を引けなかった時に、勝てる布陣を組む』
ことで、事足りるようになっています。
具体的には、R4でWedを完成させるだけでなく、R10でバタリオン(Bat:フラッシュ)を完成させたとしても、上陣がR8を引けなければ下陣が⑨列に勝利することが出来るようになりました。
要は、
『待ちカード(アウツ)の枚数が、増えている』
のです。
反対に、上陣はR8を引いてWedを完成させるしか勝ち目が無くなっており、待ちカードの枚数に変化は有りません。
このように、R6(下陣)とR7(上陣)の【単体】を比べた場合には有利なハズだった上陣が、一転、不利側の下陣だけの待ちカードが増える状況が発生してしまうため、
『同色の少し大きな数字を被せることは、必ずしも好手になるとは言えない』というのが、私の主張です。
今回のケースでは、R65 対 R79 だったため、Wedに関係ない部隊カードは、R10だけでした。
これが、R54 対 R68 の場合には、Wedに関係ない部隊カードがR9とR10に増えており、これらの部隊カードの行方に注意が必要です。
最後に、同色の大きな数字を同じ列に被せるプレイについては、
『プレイする列を増やさない』
という、別の切り口から見たメリットがあります。
固定観念に囚われず、状況に応じた異なる判断が必要となります。