メカダリウスのバトルライン日記

2人用カードゲーム『バトルライン』に関するブログです。

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【第10回バトルライン大会】決勝戦 解説その2

2021/11/3(祝)に開催された【第10回バトルライン大会】の決勝戦棋譜です。

盤面 上(後手)GInさん : 下(先手)どらねこさん

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棋譜を元に、実際にカードを並べて検討を行ないました。

その中で、特に気になった局面を解説します。

 

◆18手目 紫1を⑥列にプレイ(分かり易くするため、紫1を横向きにしています。)

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⑥列は、上陣の黄2と下陣の紫76が対峙しています。黄2がプレイされた8手目では赤2も手札に有ったため、おそらく直前に打たれた下陣の7手目 紫7に対して黄2・赤2を連打する予定だったのでしょうが、8手目のドローが赤3だったため急遽、予定変更されたものと見受けられます。

続く9手目に紫6が連打されたため、次に紫5or8がプレイされれば、上陣はライフ(置き場所)をロストすることになります。

そのため、上陣も何か黄2に関連する2枚目の部隊をプレイしておいて、ライフロストを回避しておきたいところですが、予定していた赤2が赤3にコネクトしたため赤23は②列にプレイされることになり、⑥列にプレイする部隊カードが無いような状態です。

そんな状況での18手目。

上陣の手札は【青2・3、緑3・5、紫1、橙7・9】の 7枚。この中から、紫1が⑥列にプレイされました。

これは、123のスカーミッシャー(ストレート)はかろうじて有るものの、相手側の下陣は5678のスカーミッシャーもしくは、紫のバタリオン(フラッシュ)を完成させれば⑥列に勝利するため、実質的には上陣の『敗北宣言』になります。

ただし、アドバンスルールですので、ライフロストを防いだ着手とも言えます。また、オープン列(まだ置いていない列)を出来るだけ多く残しておいて、今後の展開に繋げていく狙いにもなっています。

手札には緑3・5などの『2手の様子見が出来る』組合わせもあったため、このタイミングでの⑥列の紫1には、自分にはない発想だと正直驚きました。

しかしながら、直前の17手目では下陣に紫5がドローされており、19手目には紫765のウェッジ(ストフラ)が完成しています。

もしも、18手目に2枚目の部隊カードがプレイされていなければ、⑥列のライフが1つロストしていたのです!

まさに、上陣の紙一重の見切りでした!!

 

◆下陣41手目 緑1を⑤列にプレイ

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次の局面は下陣の41手目ですが、直前の40手目で上陣に②列の勝利宣言されている状況です。

下陣の手札は、【青1、黄7、緑1、紫3・9、泥濘、配置転換】

ここで下陣は、緑1を⑤列にプレイしました。続けて、青1の連打も保証されており、2手分の様子見が出来る着手です。

 

ここで、盤面の状況を確認します。

上陣が②列と⑥列、下陣が⑥列と⑨列に勝利しており、上陣が②③④⑤列で下陣が③④⑤⑥列で【突破勝ち(3列連続勝ち)】の可能性があります。

そのため、④列の勝敗が非常に重要な局面だったと言えるでしょう。

④列では、上陣の緑957と下陣の橙12が対峙しており、下陣が橙3を入手できれば④列に勝利します。

下陣の手札には橙3が無いため、上陣が橙3を晒されてしまえば、バタリオン(フラッシュ)の合計値で下陣が上陣を上回ることが出来ないため、④列に敗北します。

また、手札には【盾】や【隊長】と言った、オールマイティカードも有りません。仮に【泥濘】で1ターン延命しても、上陣が4枚バタリオンを完成させるのが容易なのに対して、下陣は完成させることが出来ても上回ることは厳しい状況のようです。

しかし、ここでは手札に【配置転換】と2枚の「1」の部隊カードがありました。【配置転換】を使えば、橙3が晒されたとしても、橙2を盤外に【除外】することで「1」のファランクス(スリーカード)を④列に作ることが可能になります。

言い換えれば、【配置転換】と2枚の「1」によって、『橙3が晒されることへの“ケア”』が出来ていたのです。

よって、緑1を⑤列にプレイするのであれば、戦術カードをドローして橙3が晒された場合の対抗策を入手しておく必要がありました。

とは言え、局面が煮詰まっている状況で【泥濘】【配置転換】に引き続き、3枚目の戦術カードをドローするのは、かなりのギャンブルになり、実行しにくい気もします。

ここでは、まだ黄5678のウェッジ(ストフラ)が残っていた、黄7を⑤列や③列にプレイして様子を見るのが良かったのでは?と言うのが、筆者の意見です。

 

その後、盤面は進んで、上陣が橙3を晒して④列を獲得しました。

結果として、②④列を獲得している上陣が、突破勝ちするべく③列に対して【霧】のパワープレイを仕掛け、それが成立したことにより試合が決着しました。

もちろん、【配置転換】により④列の下陣に1のファランクス(スリーカード)が完成していたとしても、上陣が【霧】を投入して再逆転してくることは考えられます。

その場合には③列に【霧】は使われなくなりますので、『歴史は変わっていた』のかも知れません。