今回の戦術カードは、【Mud】です。ここでは、【沼】と表記していきます。今までは、いわゆる“使える”戦術カードを初手で入手した際の立ち回りの紹介でしたが、今回の【沼】は 私的『初手でドローしたくない戦術カードランキング』でトップを張るカードです。
≪盤面1≫
下段の先手の手札は、以下の7枚
赤3、8
青2、6
緑2
紫6
橙10
実は、本譜は少し前の時期のモノなので、この頃は『初手は、ミドルクラス(4〜6)を端列にプレイして様子を見る。』と言う考え方が確立出来ていません。今なら、初手は青6か紫6を端列にプレイしていると思います。
初手は、赤8を7列にプレイして【沼】をドローしました。
当時は、『相手の一手でウエッジ(ストフラ・SF)を潰されない数字の中で、一番大きい数字』である8が、初手に最適と考えていました。 前述のように、今では初手へのアプローチが変化しているのですが、8が最重要カードであるとの思いは変わっていません。
バトルラインでは、『相手より大きい数字を、同列にブツケることが良い』とされることがありますが、大きい数字でも9や10(T)だと相手に同色をの8や9を押さえられていた場合、その1枚によって完成可能な最強役(ナッツ)がファランクス(スリーカード・3C)に落ちてしまいます。8は、1枚を押さえられただけではSFの目が消えないため、粘り強さがあり、かつ、89TのSFと言うゲーム上の最強役も狙うことが出来ます。
そんな8だからこそ、最重要拠点である7(3)列にプレイして確保を狙うのですが、関連性のあるカード(例えば、赤9)が手札が無い孤立した状態で初手からプレイしていくと、逆に相手から“標的”にされてしまうかも知れません。
ここでの“標的”とは例えば、7列に赤8をプレイしたところ相手に青8をぶつけられ、次に他の列にプレイしてお茶を濁したら、続けて青9を重ねられるといったプレイです。このまま相手に列を獲られてしまえば、貴重な戦力である赤8を失うことになります。
上記のような“標的”(Under The Gun!)プレイをさけるため、要は手札に孤立した状態でプレイしないように、『初手で戦術カードをドローしてから、3(7)列目をプレイする』ようになりました。
【帝(王)】や【騎】、【霧】や【背】を入手してからであれば、手札の孤立した9も3(7)列に投入していくこと可能となります。
逆に、戦術カードを持っていない初手では、標的となっても良いようにミドルクラスを端列にプレイするようになり、戦術カードと言う後ろ盾を得てから、手札の8や9、Tと言ったハイクラスのカードを投入する列を考えるようになったのです。
でも、今回のテーマである【沼】では、後ろ盾になりません。(笑)厳しい対局になりそうです・・・
続く、後手は橙8を3列目にプレイして、軍隊カードをドローしました。
ここで、3列目について少し触れてみます。相手の橙8のプレイに対して、自分の手札に橙Tがあります。
これは、自分のSFを消されると共に、相手の89Tも消しています。そのことから、3列目に対して以下の方針が立てられます。
(1)他色89TのSFを狙う
(2)Tの3Cを狙う
(3)フラッシュを狙う
(4)リスペクトする
(1)のケースですが、相手のナッツは橙789のSFです。よって、こちらから青や黄の89Tを狙ってプレイして行っても、(青や黄Tが、晒されなければ)“同点で負ける”ことはありません。
(2)(3)を狙う場合、橙7を押さえる必要があります。橙7が確保されていないと、相手には橙789が残るため、リスクが高く、勝敗決着まで時間のかかる列となります。
(4)今回の対局では、7列を確保を主張しており主戦場は右翼になります。3列目を相手に譲る、リスペクトを行い、戦場の左右で棲み分けるのも一考の価値があります。
【沼】編(2)に続きます。